売却時の注意点
◎権利証の住所と現住所が違う場合
現住所に表示変更登記が必要です。登記簿の住所が住民票の前住所と一致すれば住民票を用意すれば登記ができます。何回も引越しをしている場合は、その住所がすべてつながる証明のために、本籍地で発行する戸籍の附票が必要になります。また転籍したりしている場合、つながらない場合もありますので、何度も転居している人は、早めに司法書士や不動産業者に相談しておいた方がよいと思います。
◎婚姻などで名義が変わっている場合
現氏名への表示変更登記が必要です。戸籍謄本など同一人物であることを証明できる書類を用意する必要があります
◎ローン借入の抵当権設定されている場合
抵当権は抹消しないと引渡しができません。当然、ローン残金を全額返済しないと金融機関は抵当権抹消には応じてくれません。しかし、売却代金を充当して金融機関に返済をする場合もかなりあります。このような場合は、残金の受取りの場所をどこにするかで、なかなかスムーズにいかない場合もあります。抵当権者である金融機関に当事者が集合するか、集合することが困難な場合は、抹消をする金融機関に売買契約締結をした不動産会社や近くの司法書士事務所に出向いてもらうかしないと出来ません。特に買主が融資金で購入する場合など、事前の打ち合わせを早めにしておくことが大事です。ただ取引としては難しいことは何もありませんので、抵当権設定した不動産でも売却は全く問題はありません。ただし、借入残金が売却代金より多額の場合は注意が必要です。次の項目を参照してください。
◎売却代金よりローン借入残金が多い場合
売却代金よりローンの借入残金が多い場合は、不足分つまり(ローン借入残金−売却代金=自己資金で用意する金額)をあらかじめ自己資金で用意しておかなければなりません。よく勘違いされる場合で一番多いのが、売却代金分を金融機関へ返済しても全額返済できない場合、返済できない不足金額がある場合は、いままでのように引き続き返済すれば良いのではとか、残っているローンを買主に引き継いでもらってその分を売買代金で調整すればよいと思っておられる方もいるようです。こういうことは出来ませんので注意して下さい。必ず全額一括返済しないと金融機関は抵当権抹消に応じません。
◎相続物件だが登記をしていない場合
相続の登記をしていない場合で、遺産分割協議書(相続人全員の印鑑証明書添付)を作成済みの場合は、協議も終わって登記をしていないだけであれば、すぐ登記が出来ますので、早めに登記を済ましておくべきだと思います。よくあるのは、遺産分割協議書に押してある印鑑が不鮮明で法務局で受け付けてもらえない場合です。再度、相続人に実印を押し直してもらわなければならない場合がありますので要注意です。
また遺産分割協議書がまだの場合は、すべて書類が整ってからか登記を完了させてから、売却の行動を始めたほうがよいと思います。
◎売却物件が農地の場合
農地である場合には農地法による規制をうけますので、許可が必要になります。買主は売主に対して、農地法所定の許可申請に協力を求める必要があり、農地売買契約においては、売主に許可申請のための協力義務が規定されます。許可権者が農業委員会の場合には、農地売買許可申請書に必要事項を記載して直接市町村の農業委員会に提出して許可を求めます。
申請は申請書に印鑑証明を添えて、提出します。添付書類はつぎのものです。
○法人にあっては定款または寄附行為および法人登記簿の謄本または抄本 ○申請にかかかる土地の登記簿謄本 ○申請にかかる土地の地番を表示する図面○契約書 ○転用候補地の位置および付近の状況を表示する図面 ○転用候補地に建設しようとする建物または施設の面積、位置および施設物間の距離を表示する図面 ○当該事業に関連する取水または排水につき水利権者、その他関連権利者の同意を得ている場合には、その旨を了する書面
などが必要です。
◎境界がはっきりしていない場合
後日の境界紛争を防ぐためにも、売買契約締結以前に、隣地所有者との間で、境界判断の資料をもとに、土地家屋調査士や測量士などの専門家も交えて境界確認書を作成し、境界を定めるようにするべきだと思います。
◎所有者が多数いる場合
親子、夫婦、兄弟など共有者がいる場合、売却について全員の合意ないと売却は難しいです。なぜならば、取引には全員の印鑑証明書が必要になります。なお売買契約の時には、所有者全員で立ち会うことがベストですが、代表者一人だけで契約する場合は、全員の実印の委任状は必要と思います。また事前の本人確認もさせていただくことになると思います。これは契約の時だけではなく、移転登記時も司法書士が同様の確認をするようになると思います。
◎遠方にいる場合、契約・登記はどうするか
売買契約締結の時は、不動産業者が出向いていくことが可能ですが、所有権移転登記の時だけは、司法書士の事務所に出向いていただかないと引渡しは無理かもしれません。また病気で入院の場合は、司法書士も病院まで出向いてくれると思います。遠方の場合、その時の日当は実費でかかることもあります。全国各地の司法書士同士で連携してできるときもあるようです。事前に司法書士に相談してみることが必要だと思います。
◎権利証を紛失してしまった
権利証をなくしますと、売買による所有権移転とか、抵当権をつけるなど、新たに登記をするときに、権利証の代わりをする保証書と呼ばれる書面で手続きをしなければなりません。保証書での登記は、手続きが少々面倒です
まず保証書の作り方ですが、登記済不動産を持っている成年者二名以上(保証人)が、登記の対象になっている不動産が登記義務者の所有であり人違いでないことを保証する旨記載した書面を作成し、これに記名し、実印を押し、印鑑証明書をつけます。保証人が他の登記所で登記している時は、その登記簿謄本も添付します。これが紛失・滅失した権利証の代用品となります。
◎市街化調整区域内の土地は売れないか
市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域ということで、原則として建築をすることが出来ない地域です。しかし、一般的に言われる「既存宅地」「既存建築の建替え」という建築が出来る例外があります。ここでは詳細は述べることは出来ませんが、所有地が該当するかどうか不明の場合は、どうぞお気軽にお問い合わせ下さい。詳しく調査いたします。
売却時の税金について (最終確認は税理士や国税庁の窓口などで確認して下さい)
◎売却利益の出る場合
土地建物などの譲渡には、土地・住宅政策上の見地から、一般の所得とは区別し、譲渡所得のみに特別な税率を適用して税額を求める課税方法が採用されています。この方式を「分離課税方式」といいます。
○譲渡金額から控除されるもの
譲渡収入−(取得費+譲渡費用)=譲渡益
この譲渡益から、取引の形態によって、租税特別措置法などによる特別控除額を控除し、控除したあとの金額が譲渡所得となります。
○取得費とは
譲渡した資産を取得するために要した金額です(購入費・建築費・制作費・設備費・改良費・ローン支払利息と諸経費)
ただし、償却資産については、その償却費相当額を取得価格から控除した残額が譲渡の場合の取得費になります。また支払利息に関しては建物利用の場合取得費用にならないことがありまのでお間違いの無いよう注意して下さい。
○概算取得費とは
譲渡資産の取得費が不明で、譲渡所得の計算が正しく出来ない場合。
譲渡資産取得時期があまりに古く以前のことで、取得の時の資料がない、また、譲渡資産の取得原因が相続による取得であって、その資産の元の所有者である
被相続人が、いつ、いくらで取得したものかが、不明であるケースなど。取得費の特例として譲渡金額の5%相当額を、取得費としてもよいという取り扱い。また取
得費が5%未満になってします場合にも、有利に5%の概算取得費を適用することもできるとされています。
○譲渡費用とは
譲渡所得の計算上、収入から控除される譲渡費用には、つぎのようなものがあります。
仲介手数料・運搬費・建物の解体費用・登記費用・収入印紙代・譲渡のために直接要した費用
○長期譲渡と短期譲渡
土地建物の譲渡した資産が、その取得の日から5年を超えて所有されていたものである時は一般に長期譲渡になります。ただし5年の所有期間の計算は、譲渡 した年の一月一日を基準とします。
○長期譲渡所得の計算方法(平成16年度より100万円の特別控除がなくなりました)
課税長期譲渡所得金額=譲渡価額−(取得費+譲渡費用)
税額=課税長期譲渡所得金額×15%(住民税5%)
○短期譲渡所得の計算方法
税額=課税短期譲渡所得金額×30%(住民税9%)
◎売却損失が出る場合
バブル崩壊後、最近では、売却益が出るより、売却損失が出る人が非常に多いようです。そうした場合、その赤字分は他 の所得と損益通算できるのだろうかとの質問がかなり寄せられます。実際には別荘で利用しているような場合は損益通算は出来ません。平成16年度より一般所得との損益処理はできなくなりました。
◎確定申告時の必要証拠書類
○譲渡収入金額のわかるもの
売買契約書
○譲渡資産の取得費のわかるもの
購入時の売買契約書、契約印紙代、購入時の仲介手数料の領収証、支払代金領収証、ローン利息と諸経費支払の証明できるもの
登記関係費用、不動産取得税、造成費、改良費等の領収証
○譲渡費用のわかるもの
仲介手数料の領収証、測量費用、抵当権抹消・表示変更登記等、収入印紙代、その他の費用の領収証
不動産売却時の税金について詳しく知りたい方は国税庁のホームページ「タックスアンサー」の「
譲渡所得のぺージ」が参考になります。
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